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心と体に香るエッセンス…

鍼灸師コトーのハ・ハ・ハ物語

2020年1月20日

奥歯が痛い…。

昨日、マウスピースをはめて寝るのを忘れたからなぁ…。

思いきり奥歯でかみしめていたかなぁ…。

…………………。

……………………。

………………………。

 

 

数日経っても、かむ時だけ痛い。

冷たい物がしみて痛いわけでもない。

この歯は神経を抜いているからなぁ…。

あー、『歯根膜炎』になった時のことを思い出す…。

 

 

 

歯は3つの部分で構成されている。

口の中から見える部分は『歯冠 しかん』。

歯肉に囲まれた部分は『歯頚 しけい』。

下あごの骨の中に埋もれている部分は『歯根』。

 

 

 

『歯根』は下あごの骨にある『歯槽』という穴にはめ込まれている。

そして、『歯根膜』という結合組織繊維(赤の部分)によって

『歯根』は『歯槽』につなぎとめられている。

歯根膜はそしゃく(=かむ)時の圧力を和らげる働きがある。

歯根膜炎になった時は、歩くだけでも歯根膜に振動が伝わるのか、

3日ほど寝込んでいた。

今回もそうなったら困るので、早めに歯科に行こう…。

 

 

歯のレントゲンを撮られ、カウンセリング・ルームに呼ばれた。

さっきのレントゲンを指さしながら、先生が言った。

「ちょっと分かりづらいけど、

一番奥の歯の根の下が黒ずんでる。

炎症を起こしてる。

歯のかぶせ物をはずして、治療します」

あー、やっぱり歯根膜が痛んでいたんだなぁ…。

 

 

3回目の治療中、先生が小型カメラでその歯を撮りだした。

うっ! うっ! うっ!

先生、何か見つけたんだ!!!

「コトーさん、カウンセリング・ルームにお越しください」

歯科助手さんに声を掛けられた。

 

 

パソコンにさっき撮った歯が映し出されていた。

「ちょっと分かりづらいけど、歯の中に縦に亀裂が3本入ってる。

歯が割れる寸前。

歯の外ではなく、歯の中に亀裂が入ってるから、

治療の仕様がない。

でも、亀裂をそのままにしていると、

そこから細菌が入り炎症を起こしやすい。

アウトだよ。

抜くしかない」

ぎょっ! えーっ!

先生、セーフじゃないの?

アウトなの?

何でこんな時に『アウト』って言い方するんだよー、よー、よー!!!

 

 

歯を抜いた後はどうするんですか?

「インプラントもできるけど、

かみしめが強いから、今度は上の奥歯が割れるかもしれない。

でも、何もしないと、上の奥歯も自然と抜けてしまう。

抜く歯の手前の2本のかぶせ物をはずし、

かんだ時に上の奥歯に当たるぐらいに

かぶせ物を横に延長しましょう」

 

 

抜歯当日、先生が言った。

「歯にヒビが入ってるから、

抜くときにバリバリって音がするかもしれません」

バリバリ?

 

 

そういえば、親知らずを抜いた時は、

ボキッ! バキッ!って音がしていた。

親知らずは横に生えていたのかなぁ。

親知らずの頭が、隣の歯の根っこに当たっていた。

一般の歯科では抜くことができず、

大学病院で手術!

部分麻酔だから、歯をかち割る音がまる聞こえだった。

 

 

なーんて回想していたら、バリバリ音も痛みもなく、

いつの間にか奥歯は抜かれていた。

「抜いた歯を見ますか?」

先生が言った。

見ますっ!

治療ベットから上体を素早く起こした。

 

 

歯根の表面に、はがれかかった部分があった。

先生がピンセットではさみながら、言った。

「ほら、こんなにパカパカになってる」

神経を抜くと歯は薄くなるらしいが、

何十年と強い歯ぎしりとかみしめをした結果、

こうなっちゃったんだなぁ…。

可哀想なことをした。

 

 

「抜いた歯はこちらで処分しますか?」

とっておいてもねぇ…。

お願いします…。…。…。

 

 

抜歯後の痛みや炎症がおさまり、

治療は次の段階に入る。

抜いた奥歯の隣の歯のかぶせ物をとった時に、

ヒビが見つかったらどうしよう…と不安です。

先生に言ってみた。

「そりゃぁ、アウトだよ」

あーっ! あーっ! あーっ!

また、『アウト』って言った!!!

事実だけど、そんな言い方しなくても~!~!~!

 

 

まず、抜いた歯の隣りの隣りの歯のかぶせ物をはずした。

「この歯は使える。

次回、もう1つの歯のかぶせ物をはずします」

セーフだったぁ!!!

もう1本はどうかなぁ…。

セーフでありますように!!!

 

 

 

2本目、3本目の『ヒビ割れ歯』を作らないために、

鍼治療や運動で、かむ時に働く筋肉たちをゆるめている。

下あごを動かす筋肉って、こーんなにあるんだよ~ん。

 

 

 

2020年の干支はねずみ。

そして、夏には東京オリンピックとパラリンピックがある。

今年もかっとばすよー!!!

よろしくです!

福岡市南区にある、女性鍼灸師による女性専門鍼灸院

≪レディース鍼灸ことう≫の鍼灸師コトーでした。

 

特集~心への鍼灸アプローチ③~『気』のメンテナンス

2019年12月30日

東洋医学において、『気』はいろーんな仕事をしている。

例えば、栄養作用。

『気』は体のあらゆる部位に栄養を与える。

つまり、『気』は体を構成する物質の1つなんだなぁ…。

 

 

推動作用。

『気』は臓器や器官などの活動の駆動力となり、

経絡の流れの推進力としても働く。

つまり、『気』は生命活動のエネルギー源でもあるんだなぁ…。

 

 

防御作用。

『気』は外邪の侵入を防御し、

もし侵入しても、それを除去する。

 

 

温煦(おんく)作用。

『気』は臓器や器官などあらゆる部位を温め、

体温を一定に保つ。

などなど…。

 

 

こんな、つかみどころのない『気』は、どうやって作られるのか。

 

 

胎児のときは、父母から受け取った『先天の精気』が

栄養物質となる。

でも、この世に生まれ出ると、父母からの『先天の精気』はもらえない。

口から取り込んだ飲食物が消化吸収され、栄養物質となる。

これを『後天の精気』と呼ぶ。

 

 

『先天の精気』は『後天の精気』によって常に補給され、

『元気』となり、

臍下丹田(せいかたんでん)(=へその下の下腹部)に集まり、

経絡を通って全身にめぐる。

 

 

鼻や口から吸いこむ空気(酸素)も栄養物質となる。

これを『自然界の精気』という。

 

 

『先天の精気』や『後天の精気』が変化した『元気』と、

『自然界の精気』を原料として、

『気』が作られる。

 

 

『元気』が充分に作られると、

下腹部は張りがあり、

臓器や器官も元気はつらつ活動し、

心も体も活動的で、

疲れにくく、病気にもなりにくい。

 

 

『元気』が足りないと、

下腹部はフニャフニャで弾力性がなく、

臓器や器官の活動が衰えて、

やる気がなく、疲れやすく、

病気になりやすい。

 

 

慢性的な病気による体力の消耗や、

高齢による身体的衰弱や、

飲食物の不摂生や過労などが続くと、

『気』が充分に作りきれず、足りなくなっちゃう。

 

 

また、七情(怒、喜、憂、思、悲、恐、驚)は、

日常起こる感情だけど、

ある感情が長く続いたり、

衝撃的な強い感情が起こると、

全身をめぐる『気』が滞り、

臓器や器官なども影響を受ける。

 

 

 

 

下腹部にあるツボ『関元 かんげん』。 赤矢印。

赤花シールは、へそ。

『関元』の別名は、『丹田』。

『関』は『関所』という意味。重要な場所ってこと。

『元』は『気』の原料でもある『元気』のこと。

このツボは『元気』の関所なんだなぁ…。

鍼やお灸をして、エネルギーを補充したり、

『気』のめぐりを整える。

 

 

 

胸の間にあるツボ『膻中だんちゅう』。赤矢印。

『膻』は『君主の宮城(きゅうじょう)』のこと。

『君主』は五臓六腑の『心 しん』を指す。

『宮城』は、中心に皇居、

その周囲に諸官庁を配置した一郭のこと。

『膻中』は君主(心)に代わって、

周囲の諸官庁が命令を受けるような働きがあり、

このツボは胸膜の『中』にあるので、

この名前がついた。

『膻中』の別名は『上丹田』。

『気』にとーっても関係するツボなんだなぁ…。

不安感や動悸(心臓病ではない)など、情緒の不調に用いる。

 

 

『気』をテーマにしたから、話が難しくなっちゃったなぁ…。

 

 

体を整えるには、心(こころ)をリラックスさせることが大事。

心を整えるには、体をリラックスさせることが大事。

また、心の病は、体も心も過敏になっていることが多い。

心底、気持ちいいなぁ…。

心と体がそんなふうに感じる治療が必須。

 

 

 

 

鍼治療で使う鍼は、長さも太さもたくさん種類がある。

細くて短い鍼のほうが、刺激量が弱い。

ツボの中まで刺さずに、ツボの上をちょこんとのせるだけの手法もある。

 

 

 

棒灸。

皮膚から数センチ離して温める。

あるツボを集中して温めることもできれば、

棒灸を経絡の流れに沿って動かし、

経絡の中の『気』の流れも誘導できる。

 

 

 

点灸(てんきゅう)。

手でひねったモグサ(米粒大)をツボに置き、

線香で火をつける。

燃え終わる一瞬だけ熱さを感じ、

ツボの奥の奥まで刺激が伝わる。

モグサをツボに置く前に、

灸点紙というシールを貼るので、お灸の跡は残らない。

灸治療だけしたい方におすすめ。

 

 

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

置いた鍼の先にモグサを差し込み、

鍼をしながらお灸もする。

鍼の刺激と、お灸の輻射熱のW効果。

張り詰めた心が原因で硬くなった筋肉も、これでほぐれやすい。

 

 

 

台座灸。

台座の上にモグサがのっている。

台座の底にはシールがつき、

どこのツボにものせやすい。

エネルギーを補充しながら、

心(こころ)をリラックスさせるのに、

セルフお灸もおすすめ。

 

 

鍼もお灸もいろーんな手法があり、

心(こころ)の不調で悩んでいる方は

試してほしいなぁ…。

自分に合う鍼治療や灸治療があるはず。

 

 

『気』はたーくさんの種類と、たくさーんの働きがあり、

東洋医学本を読みあさり、

「よしっ! これを書こう!!!」と

ルーズリーフに下書きをしているうちに、

「う~~~~、なんだかわかりずらいなぁ…」と筆が止まる。

 

 

東洋医学本を読み返し、

「よしっ! これを軸に書こう!」

気持ちを新たに書いているうちに、

「あ~~~、これを出だしに書いたほうが

スラスラ読んでもらえるかも…」

筆が止まる。

 

 

何度も筆が止まり(=やる気スイッチが止まり)、

しばらく充電期間(=やる気スイッチがOFFからONになるまで)をつくり、

やっと書き上げた。

難しいことほど、

焦らず、休み休み時間をかけて取り組むと、

たくさんの点と点が結びついて線になり、

「あー、そういうことだったのか」と納得する。

 

 

今回が今年最後のブログ。

難しい東洋医学の話にも、

熱く語りすぎる趣味の話にも目を傾けていただき、

誠に誠にありがとうございました。

来年も元気に、このコトー・ブログで会いたいです!

皆様にとって2020年も素敵な年になりますように!!!

 

 

女性鍼灸師による女性専門鍼灸院

≪レディース鍼灸院ことう≫の

鍼灸師コトーでした。

 

特集~心への鍼灸アプローチ②~心と臓器と経絡とツボの関係

2019年12月14日

五臓六腑の『心 しん』。

『心』の働きを役職に例えるならば、『君主』。

ヒトの体と心の最高司令官であり、

『君主の官』と呼ばれる。

 

 

『心』には『神 しん』が収まってる。

『神』は『生命活動そのもの』を指す。

ということは、『精神活動』も『神』に含まれる。

 

 

赤いラインは、『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。

手のひら側で、脇の下から始まり、肘を通り、小指に終わる。

この経絡は、臓器『心』にもつながり、

気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)を送ってる。

経絡の上にのってるツボは9個。

経絡は左右対称にあり、左右合わせてツボは18個。

 

 

 

 

 

手首に『神門 しんもん』というツボがある。

神気(=神のエネルギー)が出入りするところなので、

『神門』と名付けられた。

 

 

五臓六腑の臓器の中で、『心』だけが

護衛する器官をもってる。

『心包 しんぽう』。

『心』を包む膜のようなもので、

外敵から『心』を守りつつ、

『心』の働きを助ける。

『心包』の別名は『臣使の官』。

 

赤いラインは、『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』という経絡。

胸から始まり、肘の中央、手首の中央を通り、中指で終わる。

この経絡は『心包』にもつながってる。

この上にもツボが片側9個、左右合わせて18個、のってる。

 

 

 

 

 

手首の少し上にあるツボ『内関 ないかん』。

ここから手厥陰心包経の気(=エネルギー)が出入りする。

大事な関所なんだなぁ…。

不安感やイライラ感など乱れた感情を整えるツボであり、

自律神経を調整する働きもある。

 

 

 

 

これは、『台座灸』というお灸。

台座の上にモグサがのってる。

台座の下にはシールがついてるから、

どこのツボにも貼り付けやすい。

このお灸だったら、自分でも簡単に『内関』にお灸ができる。

ほんわか温まり、気持ちいいよ。

 

 

『心』以外の臓器も精神活動に深くかかわる。

例えば、『肝 かん』。

『肝』の別名は『将軍の官』。

外邪から身を守るための指揮官であり、

判断力や計画性などの精神活動もつかさどる。

 

 

赤いラインは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』という経絡。

足の小指から始まり、脚の内側とおなかを通り、肋骨の下で終わる。

『肝』にもつながってる。

片側にツボは14個。

 

 

 

 

足の甲のあるツボ『太衝 たいしょう』。

『太』は『大きい』ということ。

『衝』は『要衝』のこと。

このツボは、勢いよく気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)がめぐるところ。

イライラ感や怒りも度を超すと、気が逆上する。

上がりきった気(=エネルギー)を下げるために、

『太衝』に鍼やお灸をする。

このツボにも台座灸だったら、自分でお灸がしやすいよ。

 

 

気が楽。

気が重い。

気が散る。

気が短い。

気をもむ。

気に病む。

 

 

感情を表現するときに、『気』がよく登場する。

東洋医学では、『気』はエネルギーのこと。

『気』の量や質、流れ方などがどのように乱れてるのか。

どのツボを使い、どのような鍼やお灸の手技でそれを改善するか。

心への鍼灸アプローチには、そのことも大切だと思う。

次回は『気』への鍼灸アプローチを書いてみます。

 

 

 

福岡市南区にある、女性鍼灸師による女性専門鍼灸院

≪レディース鍼灸ことう≫の鍼灸師コトーでした。

難しい話にもうちょっと付き合ってくださいねぇ~~~。

 

 

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